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のうみそのなかみ

昭和

バラマキたい!

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昭和時代の代表的なクイズといえば、 アメリカ横断ウルトラクイズ だろう。平成になってからも続いていたので昭和だけではないが。アメリカの自然の中でクイズをやるという伝説的な番組である。 罰ゲームを本気で信じてしまう無邪気な子供だったが憧れ、「早く来い来い木曜日!」のキャッチコピーそのままに木曜日が本当に待ち遠しかった。赤いいわゆる “デベソ型” のボタンを押してあの「?」のロゴが持ち上がる帽子も被りたくて仕方が無かった。
 一番やりたかったのが砂漠で行われるバラマキクイズだ。挑戦者が砂漠に書かれたスタート地点に並び、ヘリコプターから問題の書かれた封筒がばらまかれる。スタートと同時に走ってその封筒を取りに行き問題に挑戦するというクイズだ。中にはハズレがあり、ハズレを引くと問題に挑戦することもできない。

問題でなく「ハズレ」。もう一度問題を取りに行かなければならない。

憧れたら次にやることはひとつだ。近所の子を集めてバラマキクイズをやるしかない。ウルトラクイズごっこだ。問題を作り折り紙に書いた。名物のハズレも何枚か作った。どこからバラまこうか?それは簡単だった。アパートに住んでいたのだ、ベランダから落とせば簡単ではないか。
だが問題が発生した。俺がバラマいた途端、問題を出す人がいない。仕方がないが5階まで上ってきてもらうか。でもハズレを引いた瞬間地獄である。それは俺が問題を落としたらすぐ下に降りることで解決した。

クイズも大人用のクイズだと誰も答えられないからなぞなぞだったり、計算問題だったり低学年でも答えられるように作った。
「問題。漫画忍者ハットリ君に出てくる獅子丸の好きな食べ物は?」とかそんな問題だった。30枚入りの折り紙がなくなったから30枚の問題とハズレができた。

さて、クイズ大会だ。ベランダから下をのぞくとウルトラクイズごっこにつきあってくれた近所の子が何人か上を見上げていた。
「早くー」「いいよー」
「それではバラマキクイズ、スタート!」
折り紙を撒いた。ひらひらと舞散った問題たちが風に飛ばされる。半分以上が下の階のベランダに落ちてしまった。下からの笑い声とともに中止になった。

ボタンを押したときの音を再現して欲しかったボードゲーム

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