スーパーに買い物に連れて行ってもらうのが好きだった。親が買い物をしている間100円をもらい、ゲームコーナーで遊ぶことができたからだ。ワクワクしながら100円を10円玉に両替する。ピカデリーサーカスは10円でできるが1回だけだと10秒で終わる。ピカデリーサーカスは10円を入れてルーレットを回し掛けた数字に止まればその数だけコインがもらえる10円ゲームの王道だ。他にも30円で1分間ラムネが取り放題のクレーンゲームはごくまれにとれたポンカン飴が大して美味しくも無いのに嬉しかった。
毎回やったゲームがある。それがタッチアクションだ。ランダムに並んだ数字のタッチボタン(タッチパネルではなく電気的なボタン)があり、デジタルが表示した数字を探してタッチするだけのゲームだ。1分間にどれだけ押せるのかを競うような内容だったと思う。とにかくこれをやるのが大好きで、画用紙にボタンを書いて幼稚園でみんなにやらせたりした。
単純に数字という物が大好きだったことと、タッチボタンという何か未来的な所に惹かれたんだろう。だが、今もしあれをタッチパネルにして今のテクノロジーリメイクしたとしても面白くはならないだろう。あの冷たいボタンの感じ、剥げた数字の印字、アナログな時計。それらすべてがあのゲームの魅力だった。景品が出るわけでもない点数を誰と競うわけでも無い。それがタッチアクションの魅力だった。
