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ひらがなと漢字の話

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秋元康はやっぱりすごいんだなぁと思ったアイドルの話。
日向坂46の、ひらがなけやき時代の歌、『ひらがなで恋したい』の歌詞を聴いていたらすごいなぁと思ってしまった。それはサビの部分。

ふりがなをふらなきゃ わかってもらえない

心のこの感じ どう伝えればいい?

難しい気持ちは 絶対 読めないわ

ねえもっと気楽にひらがなで恋したい

けやき坂46『ひらがなで恋したい』より

これはすごい。聞いた瞬間いろいろつながって鳥肌が立ってしまった。まず欅坂の2軍的な扱いだった「けやき坂46」。そもそも彼女たちのバラエティ番組のタイトルでもあるとおり、欅という文字は難しくて、だいたいの人は“欅って書けない”。だからなのか2軍的な扱いだった彼女たちは「けやき坂46」通称ひらがなけやきだった。

文章を書いたりすることが割とあったりするのだが、例えば「いちご」を例に取ってみる。「苺」と漢字で書くとちょっと大人な感じがしないだろうか。ひらがなで「いちご」と書くとちょっと子供っぽいと言うか優しい甘いイメージになる。「イチゴ」とカタカナで書くとまたちょっと違った学術的なイメージになる。
 日本語は漢字とひらがな、カタカナを駆使してイメージを伝えることのできる超一流の言語だと俺は思っている。「欅」と「けやき」も単純に1期生と2期生ではなく、1軍と2軍、先輩と後輩。そして平手友梨奈を中心とした「かっこよさ」と長濱ねるを中心にした「かわいらしさ」という意味合いだったのでは無いだろうか。

 そこで先ほどの歌詞をよく見てみると非常に深いことがわかる。全体的な歌詞の内容としては、片思い中の女の子が思いを寄せる彼に対してどうやって好きという気持ちを伝えたらいいのだろうか?という内容なのだが、この中にひらがなと漢字についての記述が出てくる。

ふりがなをふらなきゃ わかってもらえない

 これは今でさえ有名になった欅坂がデビューして間もない頃、乃木坂に比べて何という坂なのか読めないという意見が一般人の間で多かった。だからこその歌詞であると思う。つまり「ふりがなをふらなきゃわかってもらえない」とは、1期生の“読めない”グループ名に対して、2期生はふりがなを振らなくても、ひらがなで書いたから読んでねという事を歌っているのだと俺は思った。

心のこの感じ どう伝えればいい?

 2行目もまたストーリーの中の女の子の気持ちである心の「感じ」と欅の「漢字」を掛けているのであろう。欅ってどう書くの?と聞かれた彼女たちが「どう伝えればいい?」と困惑している様子が描かれているように思われる。

難しい気持ちは 絶対 読めないわ

 そしてこの3行目である。ここで俺は鳥肌がゾクゾク立ってしまった。女の子が彼に対して複雑で難しい気持ちを彼に伝えても、きっと鈍感な彼は絶対その空気を読むことができないだろう。という内容である。もちろんここまで読んでもらったらわかると思うが、難しい気持ちが読めないとは、“漢字が読めない”に掛けているのである(⇒2行目の内容から、気持ち≒感じ=漢字となる)。つまり「漢字」と「感じ」、「空気が読めない」と「漢字が読めない」の二つの掛詞を、けやき坂のストーリーとどこにでもいるような少女の気持ちを表したストーリーという大枠に掛けて表現している歌詞なのだ。

ねえもっと気楽にひらがなで恋したい

 最後の行は俺の推測でしかないが、遠回しな難しい表現は使わずに、「すきだよ」とか「あいしてるよ」という、例えばこのストーリーが漫画だとして吹き出しがあるならば“ひらがな”の言葉で告りたいという意味なのだろう。それに対してのダブルミーニングとして、欅坂のイメージが曲調もダンスもかっこいいというグループで、一部にはアイドルとしてどうなの?という意見があったことに対して、ひらがなけやきは気楽にアイドルとして見て好きになってね。という意味ではないだろうか。確かに「欅坂」と「けやき坂」のMVの様子などを見ると、アイドルとしてはけやき坂の方が気楽に見ることができる気がする。

プログラミングや数式で言う恐ろしいほどの数の括弧で括りに括った様なサビの部分は、メロディアスな曲にとても合い彼女たちの魅力をさらに深いものにしている。アイドルってどうなの?と思う方にも一度聞いていただきたい名曲である。

ちなみに俺の日向坂46の推しメンは、高瀬愛奈ちゃんである。

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